ポニポニピープル Dialogue 001 竹本直樹 (4/6)

大牟田にはチャンスがいっぱいあるよ!を伝えたい
にんげんフェスティバル〜

鶴岡章吾 その後、ポニポニと一緒にされた事業は、「にんげんフェスティバル」ですか?

竹本直樹 そうです。私自身、「にんげんフェスティバル」を大牟田市民にしっかり届ける場所にしたいと思っていました。ポ二ポ二の考えに共感して一緒にやることになったのです。

鶴岡章吾 大牟田市民に届けたいこととは、具体的にどんなことですか?

竹本直樹 具体的な「もの」を届けたいわけではありません。大牟田で活動してもらいたいという私たちの「思い」が出発点です。これまでも、事業やプロジェクトごとの多様な背景に由来して、いろいろな人間関係や仲間ができました。こうした経験の中で依存先が増え、ふと私自身が自立できていると気がつきました。大牟田市民に限らず、こうしたチャンスがたくさんあるのだと発信する場を作りたかったのです。それを皆さんにも発見していただきたい。

鶴岡章吾 「湯リイカ」に出演された方が大牟田に講演にこられたときに、今までの大牟田での活動を知ってもらうことができていましたね。

竹本直樹 そうです。このように全国各地から、大牟田に興味を持った各分野のプロフェッショナルがやってきています。大牟田の人たちは、このことを恥じるよりむしろ、先を行っている町であると、誇りを持ってよいのです。これは、テクノロジーの発達の問題ではありません。大牟田は、他ではまねのできない、ごく自然にできた唯一無二の町なのです。

鶴岡章吾 僕は、大牟田で生まれ育ち、今も大牟田で仕事をしています。僕自身、大牟田では何もできない、こんな町じゃダメだと思っていました。周りの人たちに聞いてみても「大牟田は、ちょっとね」と話したものです。それが「にんげんフェスティバル」で、著名な方々が大牟田に来られていて、各分野の最先端の研究をされている、と知りました。こんなことが大牟田でもできるのに、僕たちが自信を持ってないなんて、どうしようもないと思ってしまいました。市民が自信を持っていないなら、誰かがそれをやらなくてはならないときに、誰もやろうとしないでしょう。このことがきっかけで、僕自身に何ができるのかを考えるときに、制限を設けるのは変だなと考えるようになりました。
事前準備や当日はスタッフなどをされていたと思いますが、何を担当されていましたか?

竹本直樹 私は、JR大牟田駅前のホーム入り口に拠点を構えて、全体を見回していました。

鶴岡章吾 「にんげんフェスティバル」当日の雰囲気は、どのようなものでしたか?

竹本直樹 内容は最先端ですが、広報に莫大な費用をかけてテレビCMなどをしていないので、ショッピングセンターのイベントに比べても、地味でした。ですが、興味を持って参加した人を裏切らない内容でした。学生さんや事前に情報をキャッチして参加した人に、恥じないものだったと思います。
仕事でもよく活用していますが、全員に受け入れてもらう前に、まずはチームの数名に理解してもらって、その数名がさらに広げるというコミュニケーションの方法があります。これは、スノーフレーク方式という、久留米の「CO(コミュニティオーガナイズ)JAPAN」というNPOが広めているコミュニティ手法の一つです。芸能人でもないと、私たちだけでできることには限界があります。なので、ミニマムな範囲で伝えるべき人にしっかり伝えて、その人がさらに他の人に伝えるという、口コミのような広がり方が、一番しっかりと情報を届けることができます。今回の「にんげんフェスティバル」は、第1回目として、最初の人にしっかり伝えることができたと思います。

鶴岡章吾 次回の「にんげんフェスティバル」が開催されたら、前回の内容に追加したいことはありますか?

竹本直樹 変えたい内容は、全くありません。私は前回のスタイルでいいと思っていますが、共感する団体や会社が増えるとよりよいと思います。団体や会社には、所属してる人たちがたくさんいるので、そこからさらに広がりが生まれると思います。前回は、市民向けに実施しましたが、JCなどの団体にも協力や参加をお願いして、次のステップへの基盤を作り、関係性の構築を継続することができるとよいと思います。

鶴岡章吾 僕も継続が大事だと思います。規模は小さくても、既存のコミュニティや団体と連携して、人間関係を広げたり、大牟田で活動している団体の話をまとまって聞く機会がほしいところです。竹本さんのこれまでの取り組みで、今日初めて知ったことも多いです。大牟田の外側から来た人たちが、日本各地でやっていることに対して、大牟田でもこういうことをやってるぞと、打ち返すようなことができたら面白いです。

竹本直樹 そうですね。そうしたことが誇りを醸成できたらよいですね。前回の「にんげんフェスティバル」は、外部の団体が大牟田を盛り上げたという印象があります。外部の人たちが一緒に考えることも大事ですが、内側の人たちも「アンサー」として立ち上がりたいところです。10年後、5年後、3年後のゴールを想像して、そこに向かっていくことが必要です。大牟田の方々を事前に話し合いに招けば、当日は協力できなくても、事前準備ならできるとわかるかもしれません。こうしたオープン前のやりとりが、地域を作ることにも繋がります。

鶴岡章吾 外側から刺激を受けて、内側から立ち上がってくる様子が感じられると、わくわく感、誇り、実現しようという熱意が生まれそうです。

竹本直樹 よいきっかけになりますね。すこし関わっている人が、「俺関わってんだよ」と言うだけで宣伝になります。こんな仲間を増やしたいと思っています。

鶴岡章吾 参加者として遊びにきた人をどんどん仲間にするのは、よいアイディアですね。講演を聞くだけではなく、「私も何かやりたい」と気軽に話をしたら、居合わせた参加者の共感を得て、「面白そう。じゃあ、一緒にやってみよう」という声が、大牟田中で湧き起こる、ということになりそうです。

竹本直樹 それは、面白そうです。

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