人文学的検討・大牟田市営住宅での調査を通じた
Well-being な地域づくりのあり方に関する研究
Well-being な地域社会の実現に向けた示唆を得るための共同研究を実施しました。内容は大きく2つに分かれており、(1)大牟田市内の豊かに住みこなされた市営住宅に対する調査を実施し、地域で具体的に豊かに暮らすことの実相を明らかにしました。並行して、(2)スマートシティ・スマートホームをめぐる言説の整理や人文学的検討を行いました。その上で、それらを統合することでWell-being な地域づくりのあり方に対する示唆を得ることを目指しました。
(1)大牟田市営住宅での調査
築50年以上の歴史がある大牟田市営歴木住宅において、どのように Well-being につながるようなアイデンティティが大事にされた暮らしが実現しているかについて調査・研究を行いました。具体的には、歴木住宅の住民、歴木住宅の管理主体である大牟田市役所建築住宅課の職員を対象としたヒアリング調査と歴木住宅でのフィールド調査を実施し、住みこなしの変遷・背景人の暮らしを明らかにしました。加えて、歴木住宅の住民個人のライフヒストリーから、住まいや地域などの場所と人との関わりで形成されてきた愛着やアイデンティティの在りようを見出しました。
(2)人文学的検討
まず、検討の前提を整理するため、国際的な状況を踏まえたスマートシティ・スマートホームをめぐる定義の整理に関する既往研究を調べ、日本における政策的な定義について図式的な整理と論点の提示を行いました。その上で、人と住まいとの関係、それらと Well-being や幸福をめぐる事柄に関する人文学的検討を行い、Well-being な地域社会としてのスマートシティやスマートホームの実現における新たな課題設定を行ないました。
パートナー
NTT社会情報研究所
有明工業高等専門学校
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